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【開業支援コラム】Vol.12【設計・施工】設計・施工費用の見積と予算管理について

歯科医院を開業するためには、多額の資金が必要となります。開業費用の内訳を見てみると様々な項目がありますが、その中でも医院の工事(設計、基礎工事、内装・外装の施工など)は医療機器の購入と並び高額になりがちです。

現在歯科医院を新規で開業するためには、最低でも5000万円程度は資金が必要となります。しかし、現実的にはCTやマイクロなど高性能な医療機器の導入、感染症予防対策のための消毒・滅菌設備の導入、集患のための広告費などに事前投資する場合も増えてきており、そうなると8000万~1億近い開業資金が必要になることもあります。

資金が無尽蔵にあるならば、とことんこだわった医院づくりをおこなうこともできますが、多くの場合予算には限りがあります。今回は、開業において大きな金銭的ウエイトを占める「設計・施工費用」にフォーカスして、注意すべき点についてお話させていただきます。

①設計と施工で使える資金の上限を決める

自分で用意した自己資金と、金融機関などからの借入金の総額が開業資金になりますが、実際に準備できた開業資金から逆算して、設計と施工に使える予算を予め決めておきましょう。自分の「城」となる歯科医院を新規で作ることになるので、こだわりたい気持ちはよく理解できますが、予算の上限を決めておかないと費用がどんどんかさみ、後々大きな負担となる可能性があります。

②妥協できる点 できない点の優先順位を決める

新規で開業することの大きなメリットのひとつに「自分の好きなように医院を作ることができる」という点があります。自分好みの内装や外装、こだわりのインテリア、使いやすい導線設計など、理想の医院に近づけるために様々な希望やアイデアが浮かんでくると思います。これらのアイデアをすべて実現することができればそれに越したことはないのですが、現実には予算に限りがあるため、何かを断念しなければならない場合があります。設計の段階でかかる費用を把握し、妥協できない点、できる点をよく考え、優先順位をつけておくことをおすすめします。

③相見積もりを取る

同じ設計で工事を発注したとしても、施工先の業者さんによって費用が大きく変わってくる場合があります。開業前はやることがたくさんあり忙しいのはよく理解できますが、面倒くさがらず複数の業者さんに見積もりを依頼し、工事費用を比較することが重要となります。また、歯科医院は床下の配管や動力設備の設置、医療法による規制など、他の職種にはない点を考慮した上で工事をする必要があります。もし可能であれば歯科医院の施工実績が多い設計事務所や施工業者さんにお願いできると安心です。

④無理の無い範囲で価格交渉をおこなう

限られた予算で開業するために、ときには価格交渉もおこなってみてください。工事費用の相場を事前に情報収集したり、相見積もりを取るなどして、少しでも安くできないか交渉してみてください。しかし、過度な価格交渉は業者さんのモチベーションを下げ、手抜き工事の原因にもなりますので避けましょう。お互いの利益を確保しつつ、気持ちよく仕事ができる常識の範囲内で価格交渉をしてみましょう。

⑤想定外の出費がでる可能性があるので予算には余裕を持たせる

実際に開業の準備をしていると、想定外のところでお金がかかることがあります。契約した物件に不備があり追加工事が必要になったり、建築資材の高騰で工事費用が予定より高くなってしまうなど、不測の事態は十分に起こりえます。そういった状況になる可能性も想定した上で、余裕をもった予算組みをされることをおすすめします。