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【開業支援コラム】Vol.13【設計・施工】工事の施工とスケジュールについて

打合せを重ね、医院の設計やデザインが決まると、いよいよ工事の施工に入ります。院長が開業を決意した瞬間から、物件探し、各種業者選定、医療機器の購入手配、行政等への手続きなど、色々な準備を重ねてきたはずですが、工事が始まると長かった開業準備も大詰めを迎えることになります。自分の理想とするクリニックが徐々に形となり完成に近づいてくると、いよいよ本当に開業するのだという実感がわいてくるはずです。歯科医院の開業という節目まであと少しのところまできていますが、ここで油断するのは禁物です。今回は工事のスケジュールや施工に対する注意事項に関してお話させていただきます。

①余裕を持たせたスケジューリングを組んでおく

医院の工事をおこなうにあたり、スケジュールはできるだけ余裕を持たせて組んでおきましょう。実際の工事の現場では想定外のことやトラブルが度々起こり、100%予定通り工事が進むことは滅多にありません。例えば、地震や異常気象などの天変地異や海外の政治情勢などで物流が滞り、発注していた建築資材が予定通り届かず工事が進まない。設計に想定ミスがあり発注した機材が設置できないなど、過去の開業現場では予想もできないようなことが現実に起こっています。工期に追われると院長も業者側も気持ちに余裕がなくなり思わぬミスを招くこともあるので、できるだけ余裕をもったスケジューリングをするようにしましょう。

②施工現場には頻繁に顔を出し業者任せにしない

実際に工事が始まったら可能な限り現場に足を運び、打合せで設計した通りに工事が進んでいるかチェックをするようにしましょう。院長が頻繁に現場に顔を出すことで現場に適度な緊張感が生まれ、ケアレスミスや手抜き工事を防ぐことができます。また、可能であれば医院を設計したデザイナーや経験豊富な開業コンサルタントにも定期的に立ち会ってもらい、プロの目線で進捗状況をチェックしてもらえるとより安心です。工事を発注した院長は「施主」という立場ですが、残念ながら工事のプロではないため細かい部分などチェックが行き届きません。プロの厳しい目線で工事を管理してもらうことが大切です。また、職人さんへのドリンクの差し入れも重要です。小さなことですが、これだけでお互い気持ちよく仕事ができます。

③工事期間中にしか見ることのできない部分を必ずチェックする

床下の配管、天井のエアコン、埋め込み式の換気扇、壁の中の配線など、完成してしまうとあとからチェックするのが難しい箇所があります。これらの箇所は工事期間中にしか見ることができないので、必ずチェックするようにしましょう。なお、これらの箇所も工事のプロではない院長だと欠陥を見落としてしまう可能性があるので、デザイナーや機器メーカー担当者、開業コンサルタントにも協力を仰ぎチェックしてもらうとより安心です。

④施工業者の方と良い人間関係を築く

院長と工事をおこなう業者さんは、「施主(発注者)」と「業者(受注者)」という関係となりますが、院長が業者さんに対し無理難題を言い続けたり、横柄な態度で接したりするのは考えものです。業者さんも一人の人間なので、上から目線で物を言われたり、雑な扱いを受けたりするといい気分はしません。人間は感情で動く生き物で気分の良し悪しはパフォーマンスにも大きな影響を与えるので、業者さんのモチベーションを下げてしまっては良い仕事は望めません。逆に「この先生のためなら頑張りたい」「この先生のために一肌脱ぎたい」と思ってもらえた方が、結果的にいい仕事をしてもらえ、工事の仕上がりも良くなるはずです。もちろん仕事なのでお互いクオリティに対する厳しさは必要ですが、工事のプロである業者さんに敬意を持ち、良好な人間関係を構築することをお勧めします。また、もし業者さんと良い人間関係が築ければ、開業後に患者さんとして通ってくれるかもしれませんし、知り合いを紹介してくれる可能性もあります。工事をしてくれる「業者さん」という側面だけではなく、「将来の患者さん」になるかもしれないという視点で接するようにしましょう。