COLUMN 歯科業界コラム

進化する歯科医院経営!MS法人による経営最適化と事業承継の実務

進化する歯科医院経営!MS法人による経営最適化と事業承継の実務

最新版!医療法人VS個人事業主 〜MS法人設立徹底解説!~

歯科医院経営者の皆様、現在の経営状況に満足されていますか?
もし、更なる成長や効率化、節税、そして将来の相続対策まで視野に入れているのであれば、MS法人の設立は非常に有効な選択肢となります。この記事では、歯科医院経営に精通した専門家が、MS法人設立のメリットから具体的な活用事例、注意点までを徹底解説します。

1. MS法人とは?その基本と役割

MS法人(メディカルサービス法人)とは、医療機関の運営をサポートする営利目的の法人です。歯科医院経営において、従来の医療法人や個人事業主の形態では実現できなかった柔軟な事業展開を可能にします。
なぜMS法人が注目されているのでしょうか。それは、医療法人では制限される営利目的の事業活動が可能となり、人材派遣やリース事業、医療商品販売など、多角的な経営戦略を展開できるからです。

2. MS法人設立のメリット:4つのポイント

MS法人設立には、主に4つの大きなメリットがあります。節税効果、経営の効率化、資金調達の柔軟性、相続対策といった多岐にわたるメリットは、歯科医院経営の様々な課題解決に繋がります。

節税効果 : 所得分散により、個人所得税率よりも低い法人税率を適用でき、税負担を軽減
経営の効率化 : 煩雑な事務作業をMS法人に委託することで、診療に専念できる環境を構築
資金調達の柔軟性 : 医療法人単体よりも資金調達の選択肢が増え、事業拡大を加速
相続対策 : 資産管理をMS法人に移管することで、相続時の税負担を軽減

特に節税対策については、MS法人を活用することで大きな効果が期待できます。具体的な節税スキームや、実際の節税事例については、「医療経営者必見!MS法人による節税戦略と運営リスク~専門家が教える成功の秘訣」で詳しく解説しています。

3. 医療法人 vs 個人事業主:どちらがMS法人を設立すべきか?

MS法人設立が必ずしも全ての人にとって最適とは限りません。税制面、助成金・国策の活用、運営コスト、そして将来的な事業展開まで考慮すると、それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況に照らし合わせて判断することが重要です。

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税制面での比較
医療法人の場合、MS法人への所得分散により法人税率(約30%)の適用が可能で、個人所得税率(最大55%)と比べて節税効果が期待できます。特に医療法人の利益が900万円を超える場合、このメリットが顕著です。個人事業主の場合は、年間所得1800万円超で最高税率に近づくため、MS法人設立による税負担軽減が有効です。また、MS法人設立により、役員報酬や役員生命保険料など、経費計上できる範囲が広がります。

助成金・国策面での比較
医療法人は、特定措置法、医療施設助成金、IT導入補助金、キャリアアップ助成金など、様々な国の支援制度を受けやすいです。MS法人を設立した場合でも、医療法人との関係性が認められると、MS法人でも助成金や補助金を受けられる可能性があります。
個人事業主でも、開業支援などの補助金を受けられる場合がありますが、医療法人と比較すると、助成金や補助金を受けるのは難しい傾向にあります。MS法人を設立しても、個人事業主の延長線上と見なされることが多く、助成金の対象外となるケースが多いです。

コスト面での比較
MS法人設立自体は比較的簡単で、株式会社の場合は約25万円程度の費用で設立できます。合同会社であればさらに安価に設立可能です。

・設立・運営時
医療法人の場合、MS法人を設立すると、医療法に基づく規制や許認可が必要となる場合があります。医薬品の卸売や医療機器の販売など、医療に関連する事業を行う場合は、許認可が必要となり、費用が高くなる可能性があります。
個人事業主がMS法人を設立する場合、基本的な設立費用は医療法人と同じです。ただし、医療法人のように特別な規制を受けることは少ないため、運営コストは医療法人よりも低くなる可能性があります。

・資本金
資本金が1000万円以下の場合、所得分散や節税効果はどちらも同じです。しかし、資本金が1000万円を超えると、会社の信頼性が向上し、投資対象になりやすくなるというメリットがある一方で、税制面で不利になる可能性があります。M&Aや売却を視野に入れている場合は、資本金を1000万円以上にするという選択肢もあります。

進化する歯科医院経営!MS法人による経営最適化と事業承継の実務

医療法人と個人事業主がMS法人を設立する際にはそれぞれ異なるメリット・デメリットがあります。医療法人は医療業務に特化し専門性を高める一方で、個人事業主はより自由な事業展開ができます。
MS法人の設立は、税制・助成金・運営コスト・そして将来的な事業計画を総合的に考慮し、それぞれの状況をしっかりと分析したうえで最適な選択をしましょう。

4. 年齢別!MS法人設立の戦略

MS法人の活用方法は、20-30代・40-50代・60代以上でそれぞれ異なるアプローチが効果的です。これは、各年代で直面する経営課題や将来のニーズが異なるためです。若手は成長戦略、中堅は事業安定化、ベテランは事業承継といった具合に、優先すべき課題が変化します。

20代、30代
若手経営者にとって、MS法人は将来への投資として大きな可能性を秘めています。この年代では、医療業務に専念できる環境づくりと早期の経営スキル習得が重要です。例えば、医療機器の販売や人材派遣業務をMS法人で展開することで、実務経験を積みながら、診療に集中できる体制を構築できます。 また、若い世代の大きなメリットは資金調達のしやすさです。MS法人があることで、株式会社としての信用力を活かした資金調達や社債発行が可能になります。この資金を活用して医療機器のリース事業を立ち上げたり、不動産投資を行ったりすることで、長期的な収益基盤を築くことができます。

40代、50代
この年代では、事業の多角化と資産形成の両立が重要なテーマとなります。既存の医療法人の業務をMS法人に部分的に移管することで、効率的な経営が可能になります。具体的には、医療機器の販売や不動産管理をMS法人で行うことで、医療法人の利益を適切に分散させ、税負担を軽減できます。 また、この年代から後継者への資産移転も視野に入れる必要があります。MS法人を活用することで、医療法人や個人の不動産をMS法人に移管し、賃貸収入を得ることで、将来の相続時における税負担を軽減することができます。

60代以上
この年代では、事業承継の計画としてMS法人を活用することが推奨されます。MS法人は、後継者が事業を引き継ぐ際の柔軟性を高め、医療法人の資産を効率的に管理・運用する手段として重要な役割を果たします。特に注目すべきは、M&Aも視野に入れた活用方法です。MS法人を保有することで、将来的な事業売却や資産の現金化がスムーズになります。ただし、単に資産管理会社としてMS法人を設立するだけでは十分ではありません。計画的な利益創出と継続的な成長戦略が必要です。

年齢に応じた適切なMS法人活用により、各ステージで最適な経営戦略を実現できます。重要なのは、現在の年齢や経営状況だけでなく、5年後、10年後を見据えた計画的な活用を検討することです。

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5. MS法人設立の成功事例

MS法人を設立し、成功を収めている歯科医院の事例を紹介します。

成功事例①:節税
医療法人と個人の土地をMS法人に売却し、賃料をMS法人が受け取るスキームを構築しました。これにより、個人の所得税が最高税率55%だったものを法人税率30%に切り替えることができ、大幅な節税に成功しました。

成功事例②:業務改善・パフォーマンス向上
会計業務などをMS法人に委託することで業務の効率化を図りました。これにより、医療法人では診療以外の業務負担を軽減し、スタッフは本業である患者サービスに集中できるようになりました。

成功事例③:管理体制の強化(分院展開している場合)
MS法人に本部機能を持たせ、仕入れや資材の管理を行うことにより、管理体制の強化と各院で発生していたコミュニケーションコストを低減することに成功しました。

6. まとめ

MS法人設立は、歯科医院経営を変革させる可能性を秘めており、節税・経営効率化・資金調達・相続対策など、多岐にわたるメリットを享受できます。ただし、成功のためには十分な準備と専門知識が必要です。ぜひ、このコラムの内容を基に専門家に相談し、あなたの歯科医院に最適なMS法人の活用法を見つけてください。

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